風情のある庭作りをテーマに数年間取り組んできた私ですが、
その取組みの中でも大きな役割を果たしてきてくれたのが三波石の存在でした。
三波石は険しい山岳地帯を中心に産出する広域変成岩の一種。
元は砂岩や泥岩といった堆積岩が地下深くで高温高圧の環境に置かれ変質し、
元の地層の縞が見事なマーブル模様に変化して岩の表面に現れます。
庭石としては古くから有名だったものの、
今や原産地は環境保護の理由で採取が禁止され、
現在では良質な三波石は庭石としてかなり貴重な存在となっているのです。
私が庭石に利用しようと積極的に購入してきたのは、
大きくともせいぜい50センチ四方の小型のもの。
それでもそれを庭の各所の配置し、岩の隙間に植物を着生させて仕立てると
大変趣深い情景が庭に出現します。
特に小さめの庭木で上方の日照をある程度カットしてあげると、
湿気を好む着生ランやシダといった植物の生育にもピッタリな環境が形成され、
大変面白いものです。
この様にやりがいの大きな三波石の活用ですが、
今後は更に希少性が増すと思われ、現行の石を存分に楽しみ尽くしたいと考えているところです。